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厚生労働省が待機児童の定義を見直し中。今のままだと何がダメなの?


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育児関連の法律や制度は数年ごとに変わるものもあるので、子育て真っ只中だとテレビで見るニュースの当事者になることも多いです。そして、当事者になるまで何が問題なのかよく分からないこともありました。

 

先日厚生労働省が定義を見直すと発表した「待機児童」もそうです。今までなんとなく使っていた「待機児童」という言葉ですが、娘の「保活」をしてみて、今の定義の何が問題なのかが見えてきました。

 

そこで今日は、なぜ定義を変える必要があるのか書いてみようと思います。

 

自治体によって定義が違う

見直しの目的は、自治体によってばらつきがある定義を統一して待機児童の数を正確に把握することだそうです。

 

でも厚労省が定義を出しているのに、なぜそれを使わずに自治体によって独自の定義を使っているのでしょうか。

 

それは、厚労省の定義には含まれないけれど保育園に入れていない「隠れ待機児童」「潜在待機児童」が数多くいるからです。

 

厚生労働省の定義

まず最初に、待機児童とはすごく大雑把に言えば、認可保育園に申し込んだのに入れていない児童のことですが、条件があり以下は当てはまりません。

 

ざっくりと、

  1. 求職活動をあきらめた
  2. 育休中(保育園に入れなくて育休延長した場合も含む)
  3. 自治体の補助がある保育施設に預けられている場合(認証保育園など) 
  4. 行ける範囲に別の認可保育園があるのに申し込んでいない

 

これを知って驚きました。現実に保育園に入れなくて困っている多くの家庭が忘れられてしまう定義です。

 

一つ一つ突っ込んでみます。

 

2.保育園に入れなくて仕方なく育休延長しても、育休が取れているなら待機児童には認めらません。じゃあ延長した育休が明けても保育園に入れず、仕事を退職したら待機児童になるのかと思えば…

 

1.退職したら次の仕事を見つけなければいけませんが、預け先がないと仕事はなかなか見つかりません。それに、そもそも子供を面接に連れて行くわけにはいかないので、就職活動もできません。

 

3.退職はできない場合、認可外の保育園に入れて働き始めますが、認可外でも自治体の補助がある施設(認証保育園など)に預けられている場合は、待機児童ではありません。転園を目指して認可保育園に申し込んでいてもです。

 

保育園の種類は認可、認可外、認証、無認可などがあって混乱しますが、こちらのサイトが分かりやすいです。

sugoii.florence.or.jp

 

4.大切な我が子を預けるのだから、園内や先生の雰囲気、方針などに納得いく保育園を選びたいのが親心です。でも現実はそうはいきません。保育内容なんかより、とにかく空きが出やすそうなところに何とか入れるという現状。

 

でも、厚生労働省はこんなの出しているんですよ。

よい保育施設の選び方 十か条

 

実際は選ぶ自由なんてないし、選んでいたら待機児童にならないなんて。だったら何のための申込書の希望欄でしょうか?いっそ自動的に割り振ってくれとすら思ってしまいます。

 

現状の定義に該当するのは

今の「待機児童」の定義に当てはまるのは、求職中と現時点で無職で内定が出ている場合ですかね。

 

でもはれて(?)待機児童になっても、保育園に入れるのを待っているうちに内定を取り消されちゃうこともあります。そんなことが続けば仕事復帰をあきらめることになります。するとまた待機児童ではなくなってしまう。

 

今の定義だとこんな感じです。

 

ちなみに私も最近「保活」を始めました。まだ結果は出ていないものの、自治体内の認可保育園は、娘の月齢のクラスはすべて空きが0なので入れないことは明らかです。育休を延長することになりますが、今の定義では娘は待機児童ではありません。

 

ということで、こんな風に今の政府の定義には問題点がたくさんあるので、自治体によって、育休中をカウントするなど独自の数え方で現状の把握をしているんだそうです。

 

余談ですが、絶対に入れないことが分かっているのに、申し込まないと育休延長に必要な書類がもらえないのもなんだかなぁと思います。手続き上必要なのは理解しますが、断られるために申し込むのは役所と家庭の手間なだけな気がします。

 

おわりに 

定義が変わっても待機児童問題は解決しません。でもまずは現状だけでもしっかり把握してもらえるような新しい定義を期待したいです。今年度中に決まるそうなので注目です。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました♪ 

 

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